AdSenseがダントツにうまくいっている理由
近年、国内外問わず、
アドネットワークはたくさんあるにもかかわらず、
AdSenseだけがビジネスとしてうまくいっていて、
独占状態にちかいままなのはどうしてなんだろう…、
という内容を友人とちょっと話したので、
その辺を整理がてらメモ。
まず、Googleの2009年第2四半期(4月〜6月)の売上の内訳を見てみると、
・Google web sites
(Google保有サイトからの売上。AdWordsがかなりの割合を占めていると思われる)
36億5000万米ドル 全体の66%
・Google Network web
(パートナーサイトからの売上。AdSenseがかなりの割合を占めていると思われる)
16億8000万米ドル 全体の31%
参考資料
http://www.google.com/intl/en/press/pressrel/revenues_q209.html
まあ、相変わらず、
収益源のほとんどは、AdWordsとAdSense。
AdWordsは、検索連動型広告で
オークション形式を採用し、代理店抜きで個人でも
Googleの検索結果に広告を掲載できる仕組みを提供した。
AdSenseは、広告の掲載場所をもサイトオーナーである個人が
提供できる仕組みにし、これまた代理店抜きで
自分のサイトに広告をアサインできる仕組みを可能にした。
それにより個人が簡単に広告収入を得られる世界を作った。
ちなみに、AdSenseと同様のアドネットワークは、
国内にも存在するが、(国内においてのみでも)そのシェアを
伸ばせているところはない。
その理由は単純だ。
広告主を集める事ができなかった。
これに尽きる、と考えている。
広告主が多く集まらない
↓
掲載者は儲からない
↓
掲載面を確保できない
↓
広告在庫掃けない
↓
…
のサイクルである。
広告主はある程度の広告効果と掲載ボリュームを
求めている。
アドネットワークと言うビジネスを始める際に
最初に広告主を集めるには、上記の
”ある程度の広告効果と掲載ボリューム”
が必要なのだ。
その最初で、
AdSense以外のアドネットワークは
つまずいている。
ここを解決しないと
上記で示したサイクルを
好循環へと変える事ができない。
ここで、AdSenseの秀逸なところを考えてみる。
ポイントはやはりAdWords。
AdWordsで、検索結果という
”ある程度の広告効果と掲載ボリュームのある”
いわゆるプレミアな掲載面を、
確保できたために、広告主が集めることができたと考えられる。
最初は、広告主の掲載先は検索結果。
「AdWordsに出広しませんか」
と言えば広告主を集められた。
そして、例えば、
予算の8割を消化し、
残りの2割をAdSenseで消化してみよう、
というような取り組みを行った。
その広告主の2割の予算をAdSenseへ流せたからこそ、
AdSenseの掲載者を儲からせる事ができたのだ。
掲載者は儲かる
↓
掲載者は増える
↓
潤沢な掲載面の確保ができる
↓
広告在庫が掃ける
↓
広告主も増える(AdSenseに予算を使う)
↓
…
この好循環がになって初めて
AdSenseの収益エンジンが完成する。
”検索結果という信頼ある掲載面が最初にあって初めて広告主が付き、”
その広告主の一部がAdSenseに出広することで、
AdSenseの掲載場所を提供する個人が初めて儲かり、
さらに掲載面も増えていった。
検索結果という信頼ある掲載面(AdWords)で広告主を集める、
一方で、
その広告主の予算の一部をAdSenseに流す事により、
AdSenseの掲載者を潤わせ、掲載面を増やす。
AdWords → 広告主
AdSense → 掲載者
という2輪。
好循環を生み出す一番最初のトリガーが
”AdWordsで広告主を集める”
だったというのが、
AdSense成功のコアだったのでは?
、という考察。
だから、
"好循環を生み出す一番最初のトリガー”
を持たないアドネットワークは、
うまくいかない。
逆に、
"好循環を生み出す一番最初のトリガー”
があればうまくいく。
…
考えてみれば、こういう話は、
他のビジネスでもよくある話だな。