金融工学:リスクについて

◆リスクについて
儲かるか儲からないか、
分からない状態をリスクと考えます。
つまり不確定要素の大きさを指します。


リスクヘッジについて
言葉のとおりリスクを無くすことを言います。
例えば、
日本の輸出企業は円高になると利益が減ります。
逆に円安になると、利益が増えます。
この状態は為替変動によってリスクが生じています。
これを解決するためには、
円高になった時にも儲かる状態にします。


そこで、輸出企業は輸入企業の株を買います。
輸入企業は、輸出企業と逆で、
円高時に利益が増え、
円安時に利益が減る、
という輸出企業とは逆の特性を持っています。


すると、
輸出企業は円高になって利益が減っても、
輸入企業は利益が増える、
つまり(一般的には)株価が上がるため
損失を少なく抑える事ができます。


しかし、
円安時に増えるはずの利益も
少なくなりますが、
為替変動による変動幅は減りました。


つまり、
「利益の可能性を放棄する」かわりに
「損失の可能性を回避する」ことができます。


こういったリスク(不確定要素)を
なくす、または減らすことを
リクスヘッジと言います。


「損失の可能性」のみをリスクと呼び、
それを回避する事のみをリスクヘッジと考えている方が
自分のまわりにも多い気がしますが、
これは誤解です。


「損失の可能性」があれば必ず
「利益の可能性」もあります。
また、
「損失の可能性」のみをなくす(減らす)事はできません。
その場合は、
「利益の可能性」も失う、とか
「別のリスクを背負う」
「コストが発生する」
など必ず何か利益を失うような条件も付いてきます。
そういう事を踏まえて、
"リスク"を理解できるかが
ポイントなような気がします。